フューチャースクールの授業を参観(その2)

「その1」からのつづき )

 授業の展開及びICT機器の利用は、次の通りであった。
 なお、直接参観できたのは、授業時間(45分計画であったが、15分程度延長された。)の約3分1程度だった。残りは、隣の部屋のモニターで参観した。

■ ICTの活用場面

順番 学習活動 ICT機器の活用場面
1 既習内容の復習 ・前時の児童のノート(OneNote:ペンで手書き)をPowerPointで電子黒板に提示する。
2 問題を知る
めあてをつかむ
fukugou.png・電子教科書(教師用)のコンテンツを電子黒板で提示する。
・児童に、複合図形回りの長さなどを電子黒板上に記入させる。
・めあてを児童用タブレットのOneNoteに記入させる。
 (ペンで手書き。めあての枠線は最初から記入されていた。)
3 面積の求め方を考える ・デジタル教科書(児童用)を操作して、面積の求め方を考える。
※ デジタル教科書上の図形は、切ったり、動かすことができる。
※ デジタル教科書はペンで書き込むこともできる。
4 求め方を発表する ・児童のタブレットPCの画面を電子黒板に映して発表。
5 求め方をまとめる ・児童用タブレットのOneNoteに記入(だと思う。)
6 練習問題に取り組む ・デジタル教科書(児童用)で問題を解く。(おそらく切ったり動かしたりできる。)
7 学習をふり返る ・児童用タブレットのOneNoteに記入(だと思う。)

※OneNoteとは、MicrosoftがWindows向けに販売しているデジタルノートアプリケーションである。Macには、Wordに似たような機能が組み込まれている。

■ 議論点

 今回のフューチャースクールと10年前の「パソコン教室」との最大の違いは、パソコンにタッチパネルがついたことと、デジタル教科書(ソフト)がついたことだろう。
 タッチパネルのおかげで、手書き(手描き)で入力ができるようになった。直感的な入力のため、ノートに近い感覚で書き込みし、電子黒板などにつないで共有することができる。また、デジタル教科書のおかげで、学習指導要領にあったインタラクティブな教材を活用できるようになった。(触っていないので、本当のところは分からないが、期待を込めて。)
 一方で、その他の点については大きな変化はない。Windowsである以上、「パソコン」が抱える問題点は、そのまま残ることになる。

1.導入すべきは、タブレットPCか?

 日本でデジタル教科書の議論が活発になったのは、iPadが発売されてからだと認識している。
 iPadは、値段が安く(5万円程度)、操作が簡単で、故障も少ない。それに対して、導入されたタブレットPC(FMV-8190)は、25万円以上もする。
 操作性も大人が使うWindows7とまったく同じだ。起動するのもiPadみたいに「パッ」とはいかない。構造も複雑なため、トラブルが多いことも予想される。
 確かに、デジタル教科書などのコンテンツが多いのはメリットである。しかし、これはメーカー側の問題だ。
 児童用タブレットPCは、明らかにオーバースペックだ。この点をメーカーサイドは改善するつもりはあるのだろうか。そこは気になる。

2.どこまでタブレットに書き込ませるべきか?

 タブレットに書き込めば、それをすぐに電子黒板に映し出すことができる。アナログで難しかった「共有」が簡単にできる点は、素晴らしい。一方、考えをまとめたり、文章を書いたり、計算をしたりするなど、大半の記述はまだ、紙の方が使いやすいのではないか。
 どこまでパソコンで記述し、どこまで紙のノートに書く(描く)べきなのかつめる必要があると思う。(アナログとデジタルの使い分けはどうあるべきか。)

 「コンピュータは道具である」といわれる。しかし、子供たちにとってどんな道具であるべきかという点について十分な議論がなされてこなかったと思う。(特に現場レベルでは。)
 教育に必要な特性を見極め、どこをデジタルに変え、どこをアナログのままにするのか、そこの議論が必要だと思う。

1 Comment

足立賢治3月 1st, 2011 at 4:07 PM

 全くその通りだと思います。デジタルのアナログの融合が重要であると思います。アナログが有効な場面とデジタルが有効な場面とを明確にしていくことが必要だと思います。

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